090930:0647

二週間くらい前のこと、奥様が父上から「崖の上のポニョ」のDVDを借りた。

僕はその日のうちに終わらせなければいけない用事があったので同席できず、奥様は家事をしながらリビングで一緒に観た。夕方になり、映画を見終わった後の子供たちに感想を尋ねたら、「悲しくなった」とだけ返答があった。……あれ? なにそれ? 四歳児はもっとこう、ポーニョポニョポニョ、と思わず口ずさんじゃうような楽しい感想じゃないの? と思ったものの、感想を誘導するのは大人のする事ではないと思い、「なるほど」と返事をした。

なにしろ僕はまだこの映画を観た事がないのだから、勝手な事は言えない。もしかしたら僕の予想を大幅に裏切って、後半はずっと戦争を主題にした映画なのかもしれない。あるいはまた「時計じかけのポニョ」とか「ポッニョセメタリー」とか「シンドラーのポニョ」みたいにしか形容できない、悲しさや恐怖を伴う映画なのかもしれない。

一度ここに書いた事があるかもしれないけれど、半年か一年くらい前だったか、後輩と電車に乗っているときに宮崎アニメの話題になり、どちらかが言い間違えて「トトロの墓」と口にした事があった。数秒間、違和感がなかったのが不思議である。


090929:0152

月曜日。早出で立ち会わなければいけない作業があったので、5時前に目を覚まして出社。わりとすんなりと仕事を終えて、疲労を感じながら19時半に自社に戻り、用事が終わったのが21時半くらい。帰宅して何通かの社用のメールを片付け、雑事をしているとなぜか26時が迫っている。何かがおかしい。

今日になって僕は、睡眠期と活動期は白鍵と黒鍵のような成り立ちであると知った。月曜日はどうやら階名で言うと「ミ」である。


090927:2129

和歌山で目覚めた二日間は、どちらも五時過ぎに目を覚ました。月が沈み太陽が昇り始めるまでの間に、外界から聞こえる音楽の主役は虫から鳥に変わっていた。薄い窓に覆われた頼りない部屋の中の空気も、夜とはまるっきり入れ替わっているような気がした。

家族はみんな静かに寝息を立てていたので、音を立てないように靴を履いて外に出た。宝塚の朝とは違い、半袖のシャツでは一時間も保たない寒さだ。空は水彩でしか表現できないような薄紫がかった色合いで、見知った田んぼの中のあぜ道を歩くと、予期していた通りの好ましい、とても懐かしい匂いがした。数百メートル先を電車が通り過ぎるのが見えて、なんとなくシャッターを切った。暖かみのある黄色い光の漏れる窓から数人の人影が揺れるのが見えて、ようやくここが現実の世界だと認識した。

子供の頃、毎年、夏休みになると僕と姉はこの土地に連れてこられた。祖母の剥いてくれたリンゴや梨を食べながら、ただ淡々と宿題を片付けるのが僕たちの夏休みの決まりだった。子供が歩いて回れるような距離には、格好の良い遊び場も、ショッピングセンターも、映画館もない。ただただ周囲に稲穂が揺れ、虫の声が響き、青い電車が見えるただの小さな町だ。それは祖父母が亡くなってずいぶんと経つ今でも変わらない。相変わらず稲穂が揺れ、虫の声が響き、青い電車が走っている。

小学生の僕は想像もしなかっただろう。三十歳を過ぎた僕が、このあぜ道に立って南東の空を見つめ、じっと夜明けを待っているだなんて。


090927:1206

Owl's Nestの正式版2.0がいつリリースされるかはよくわかりませんが(b61くらいまでベータ版として開発されるかもしれない)、次に手を入れるアプリケーションは既に確定している。新作ではなく、かなり過去にリリースしたソフトウェアの、全面的な作り直し。

といっても、4月くらいから人目を忍んでずっと作り続けているので、作り直すことの新鮮さにわくわくする気分はもう落ち着いている。もう少し寒くなる時期に、何らかの形で発表できればいいなと思っているところ。

それにしてもiPhotoの顔認識機能は優秀だと思うものの、なんか違うんだよな、という気もする。


090927:0913

朝、5時すぎに目を覚ますと、隣に奥様がいなかった。寝室とリビングの窓にはシャッターが降ろされていて、唯一、台所の窓から差す光の量でだいたいの時間がわかる。重く鈍い頭の奥で、「さては別居」と思考してみたものの、その割には昨晩までの間にあまりにもヒントや予兆が少なすぎる。

ヒントといえば、数日前に見た夢の中で、僕はクイズ番組の回答者席に座っていた。土居まさる氏に「はい、じゃあ、おっかさん」となぜか僕が当てられる所から場面は始まった。僕は、まるで台本を忘れた役者のように、恥ずかしくて取り残された気分になった。戸惑いの視線がスタジオ中を様々に交差するのが申し訳なくなって、仕方なく「わかりません」と答えると、客席に座っていた人が次々に立ち上がり、帰り支度をはじめた。僕は女性軍の座席に座っていたので、向かいの席に浅井慎平氏がいるのがわかる。浅井氏は心底がっかりしたような挙動でレンズをこちらに向け、数秒ためらってから撮るのをやめてしまった。どこかでサイレンのような音も聞こえた。夢がどのように終わったのかはよく覚えていない。

夢占いの辞書をひもとけば、おそらくこの情景は「直感と連想能力に陰りが見えます」と解釈されているだろう。しかし、数日を経た僕にとって本当に気がかりなのは、宮尾すすむ氏の姿がどこにも捉えられなかった事と、実際にはどのようなクイズショーも進行していなかった事だ。

……といったような、比較的どうでもいい(戦争や飢餓に比べれば、という意味だけど)ことを考えながら、廊下へ出てみると奥様がトイレにいるのがわかった。昨日からの風邪がひどくなって、吐き気がするのでずっとトイレにこもっているらしい。

まだ同居していることを確認した僕は、ゆっくり休むように声をかけて、台所の窓から差し込む光をもう一度見つめた。


090927:0046

Owl's Nestの仕様のうち、迷ってるんだけどたぶん次のバージョンで変えてしまう部分。

  • Nest内のゴミ箱パネルは廃止。無意識下の操作ミスでゴミ箱に飛んでいったら、何が起きたのかわからなくて困ってしまう。用意してはみたものの、必要性もあんまりないはず。先見の闇。
  • Nestの自動開閉の挙動について。バージョン1.0xの頃のように、ドラッグ中のマウスカーソルにのみ応答してオープンするように変える。
  • 後者については、Owl's Nestと無関係な操作をしている時に、カーソルが近くを通るたびに「グワォン……、グワシャ」と、ウインドウに隠れて見えないデスクトップ付近でNestが応答していたりして、単純にうるさいので。

    ちなみに、以前、2.0正式版で実装すると予告してあった機能は、今回の2.0b5に用意されたブラウザを指すのではありません。もっと無意味な方向性であり、ある種の解脱であると言えよう。


    090926:2208

    やればできる男なので、本日のうちにOwl's Nest 2.0b5をリリースしました。新しく、Nest内の項目を一覧表示するのに便利な「ブラウザ」というウインドウを実装しています。Stacksの吹き出しパネルを完全にパク……、強くインスパイアされたのですが、面倒なのであまり凝った動きはしません。最終的にこの部分にどれだけ機能を追加するかも、まだ考えておらず。単に「Nestの中身、わかりづらいなぁ」という、このソフトウェアの本質的欠陥(存在意義に近似)をどうにかしようと思っただけです。

    ダウンロードはこちらからどうぞ。ちなみにさきほどプロモーションビデオとしてリンクを張らせていただいたこちらについてですが、深夜につけっぱなしにしていたテレビで偶然見てしまった、ちょうど15年くらい前のアメリカの安いドラマのオープニングっぽい出来をイメージして制作したのですが、僕の生まれもっての貴族階級的センスがそれらを薄いベールで包み込むことによって、もはやどのような名医にも手の施しようがないカオスとなっている辺りが気に入っています。


    090926:1905

    Owl's Nest、バージョン0.5bのコーディングを終了。

    ……したものの、コンテクストメニューの構成をいじったために、マニュアルのほとんどを改訂するはめになってしまった。むむむ。

    ここからの作業量を考慮すると、本日中にリリースするのはちょっと厳しいかな、と考えながら、気分転換に新しいプロモーションビデオを制作していました。3時間近くかかりました。これのせいで作業が滞ったのは確実。


    090926:1211

    たぶん本日中にリリースされるであろうOwl's Nest 2.0b5。

    毎日、薄暗い開発室の奥で不気味な音を立てながら、当初の目的に沿った使い道のよくわからないソフトウェアへと進化しています。


    090925:2316

    水曜日の夜から体調を崩し、木曜日は目が覚めた瞬間に「よし、休もう」と思った。呼吸をするたびに喉が痛み、頭はコミックでもないのにガンガンする。額が発する熱とともにすべての集中力が拡散してしまう。連休明けのことで申し訳ないとは思うが、これは休むに値するであろう。丁寧に結論を導きだして布団をかぶり直し、三秒後、「……今日は担当者が僕ひとりなので絶対に休めないのであった」と心の中で言った。

    こういった場合に度々僕が用いる手法に、応用幽体離脱社会適応法という手法がある。長くなるのでここに全ては記述しないが、要するに魂を布団に残したまま、からっぽの肉体を阪急電車に送り込むテクニック全般と捉えてもらえれば誤解はないと思う。誤解はないと思うけれど、どうせならもう少し高級な話と誤解してもらった方が良いかもしれない。

    そんなわけで、木曜日は幽霊のような存在感で一日をやり過ごした。あらゆる相談事項に対して「だからそれはですねぇ」と白目で返答。帰宅して10分で布団に向かい、そこに待っていた肉体と融合。


    090923:0818

    和歌山での二日目は加太の海へ。これもほぼ当日決めたような適当なスケジュールで、そういえば子供がまだ海を見た事がなかったな、という思いから。

    家から20分ほどひたすら西へ車を走らせると、なんの留保もなく突然海が見えた。砂浜の近くには人影はまばらで、湾から釣りを楽しんでいる人が大勢いた。駐車場のおじさんが、競りの市場を見ていくように勧めてくれたので従ってみることにした。

    海上にテントを張って生け簀がこしらえてあり、揺れる板を渡り歩いて中を覗くと、バイオハザード4の武器商人のような謎めいたおじさんがパイプ椅子に腰掛けていて、「タコみるか」と声をかけてくれた。僕の知らない最近の芸人の名前みたいである。試しに子供に「タコみるかって知ってる?」と尋ねてみると、幼児が物事に興味をうしなった時に特有の生気のない表情をした。おじさんが網ですくってくれたタコは、目を向けている間ずっと、何か大事なことをひとつ、諦めきれないような独特の動きをしていた。

    近くの淡島神社に立寄り、食堂で鯛雑炊と竹輪を食べて帰宅。風呂に浸かりながら、十年ぶりくらいに谷崎潤一郎の「蓼食う虫」を読んだ。ときどき口を水面より下に持っていって「ぶくぶく」と言ってみた。


    090922:0745

    土曜日の午前7時半に家を出て、家族で和歌山へ。一日前から僕の両親が和歌山を訪れていて、正午前に和歌山城で合流する事になったのだ。武将みたいな約束である。

    そもそもこの連休に和歌山へ行くことに決めたのはほんの一週間くらい前なので、取り立てて確固たるスケジュールというものもない。ただ、二日ほど前に、奥様がやたら時代がかった表情で「和歌山城へ行く」とおっしゃったので、それだけが予定といえば予定。

    おそらく日本男児のほとんどが同じ傾向だと思うけれど、僕は鬼瓦には興味があるけれど城という建築物にはさほど心躍るものがないので、ほとんど上を見上げるような格好で天守閣内を歩き回った。東京ディズニーランドに比べればやや人は少ないかな、という印象。

    城に隣接する動物園で、微動だにしない熊に向かって僕の父親が「ベリー」と呼びかけていた。それでも熊は一向に動かなかったし、動く予感さえなかった。ずいぶんしっかりとした日光に照らされて、四回も五回も「ベリー」と呼ぶ声を聞いていると、これは全部まとめて古代から伝わる何かの儀式なんじゃないか、という気がした。


    090919:0637

    6時に起床。わりと遠くの城と動物園を目指して準備中。帰宅は日曜か月曜の予定です。


    090918:2339

    「適当」という言葉には、適切でふさわしいという意味合いもあれば、いいかげんという意味合いもある。「いいかげん」という言葉は、「良い加減」という肯定的な読みもできれば、「適当な案配」という感じもする。その辺りを考えていると、いつも僕の頭は無限ループしてしまう。あそうそう、「むげん」という音を聞いたときに僕がまず思い浮かべるのは、漢字で表すならばいつも「無減」である。「限りが無い」という表現に、何かを限定しているような感覚を覚える。

    Owl's Nest 2.0b4をリリースしました。Nestのリサイズと、右クリックに対応しています。

    明日から2、3日、遠出するため更新ができなくなります。もしかしたら写真のページで現場の状況くらいはお伝えできるかも。


    090917:2302

    21時半くらいに帰宅。子供も犬も眠っていた。奥様はあまり機嫌が良くない様子。今日こそは、どうして「八ッ場」と書いて「やんば」と読むのか、誰かに尋ねようと思っていたのだけど、この状況にして夢がついえた。

    昨日の夜、布団の中で、娘にオジギソウの話をした。参観日で訪れた園内の片隅に育てられていたからだ。

    知っている範囲の話をしたあと、「……どうして葉を閉じるのか、まだ解明されていないんだよ」とアカネに言うと、向こうの布団から「電気信号」と奥様の言葉が発せられた。「いや、仕組みじゃなくて、目的または動機」と僕は言葉を返した。それから布団の中で腕組みをした。もぞもぞと何かが隣で居場所を変えている。

    気がつけばアカネは目を閉じて眠っていた。まるでオジギソウみたいに。この場合の仕組みは、羊の飽和と一意に結論づけられよう。


    090916:2047

    本日まで矢継ぎ早にリリースしたOwl's Nest 2.0b3ですが、既にb4の開発と検証に入っています。リリースは金曜の夜か、土曜の早朝を予定。

    b4で実装されるのは、右クリック(今更)とNestのリサイズ。リサイズは今でも実はできるんだけど、描画の乱れをある程度抑制できる方法を考えているところ。さらに、時間的に余裕があればアイテムのNest間移動を実装したいのだけど、境界線の跨ぎを判断するのがちょっと微妙かも。

    2.0正式版では、何年か前からずっと考えてきた、あまり(=全く)役に立たない変な機能を追加予定。僕の頭の中にあるのは、消しゴムではなく幾多の微妙なアイデアである。小学生くらいの頃から、常に。


    090916:1813

    夏期休暇。子供の参観日だったので、午前中は幼稚園へ。思ったより幼稚園児がたくさんいた。

    午後からはスケジュールを組み替えて、3.5時間ほどコーディング。Owl's Nest 2.0b3をリリースしました。変更点は結構あるのですが、目につきやすい所を文字数の少ない順に挙げておきます。

  • 環境設定パネルの追加
  • Nest自動開閉機能の追加
  • サウンドエフェクトの追加
  • ガイドラインの表示機能の追加
  • Nest作成時にアニメーションエフェクトを追加
  • Nestフォルダが削除された場合にNestを自動消滅
  • 不可視ファイルの表示・非表示切り替え機能の追加

  • 090915:2301

    仕事のスピードにムラがあるのをもはや長所と取り違えて、Owl's Nest 2.0b2をリリースしました。変更点は下記。

  • 設定したNestの配置、エフェクトを保存/読み込み
  • アニメーションエフェクトのスピードを調整
  • デスクトップピクチャの手動変更時、自動的に再読み込み
  • やっぱり音がないとつまらないので、次のバージョンくらいでは復活させたいところ。


    090915:2017

    修理に出していた奥様のiPod nanoが戻ってきた。土曜日の朝に集荷されて、火曜日の朝に交換品が届く。なかなかのスピードである。

    とはいえ、最近の彼女はすっかり僕のおさがりのiPod touchと俳優のリチャード・ギアさんを気に入っているようなので、あまり出番はないかもしれない。


    090915:0647

    金曜の朝の事、玄関で僕を見送っている奥様がとつぜん「ハチー」とカタカナで言って、犬を胸元に抱き上げた。それはどう聞いてもカタカナと解釈するのが自然な発音だった。

    非常に困った顔をしているチワワを横目に、面倒なことになると嫌だなと警戒しながら「それはなに」と質問すると、「リチャード・ギアのモノマネです」と返事があった。

    ……それみた事か、と僕は内心自分を責めた。僕の奥様は非常に魅力的な女性だけど、ときどき不思議な方向に人生の舵を切る事があるのだ。それは、よく晴れた、あまり時間のない朝の風景の中に顕れたりする。


    090914:0625

    日曜の夕方にテレビを見ていたら、娘が「神様はどこにいるの」と質問した。別に僕に尋ねているわけでもなく、独り言みたいな言い方だった。

    「みんな探してるんだけど、今のところよくわかっていないんだよ」と返事をすると、棚から「わくわくずかん」という図鑑を手に取って探し始めた。主に昆虫と果物が載っている本であるけれど、もしかしたらという事があるかもしれない。


    090913:1516

    「この一年間はなんだったの?」が合い言葉のOwl's Nest 2.0b。これまでのバージョン1.02にあった機能で、2.0bに未実装の項目が幾つかありますので、下記に挙げておきます。これらは正式なバージョン2.0のリリース時には実装される予定です。

  • 全般的な設定の保存・読み込み
  • Nestからアイテムを取り出す時の小学校低学年レベルのアニメーション
  • 効果音
  • 不正登録防止機能
  • Nestの自動開閉機能
  • デスクトップピクチャの変更の自動検知/再読み込み
  • 不可視項目の表示/非表示選択
  • 登録済みユーザ専用の特殊機能

  • 090913:1352

    Owl's Nest 2.0bをリリースしました。Snow Leopard専用です。当バージョンはあくまでベータ版 (2.0b)ですので、今のところユーモアフィーをお支払い頂く必要はありません。

    まだまだ機能の未実装項目がありますが、とりあえずマニュアルはこちらをご参照頂ければ。


    090912:1835

    Owl's Nest 2.0、主要な部分のコーディングを終了。これからデバッグとドキュメントの改訂。毎度の事ながら、一番時間がかかるのがドキュメントなのである。

    少し時期を遡るけれど、マイコミジャーナルの記事を参考にしてEmacsをCarbonからCocoaに乗り換えてみた。ヘビーユーザには気になる所もあるみたいだけど、僕くらいの足軽兵には結構いい感じ。日本語入力していると、時々、変換候補未確定の状態からEnterキーでそのまま「確定&改行」と誤入力されてしまう事があるみたい。


    090912:0811

    帰宅が22時を回ったので、珍しく24時を回るまで起きていた。

    6時に目が覚めてカーテンを開けると、世界の空に障子が横倒しになったかのような、ひどく気だるい様相の曇り空。地面は濡れていた。

    ポール・マッカートニーとリンゴ・スターが晴天で、ジョン・レノンが雨だとすれば、ジョージ・ハリソンは曇天であろう。僕は曇天に、とても個人的な懐かしさを覚える。子供の頃、塾へ行くまでの空き時間に、磨りガラスの窓から見た憂鬱な空の色。


    090910:1045

    というわけで夏期休暇。いくつか予定を入れ替えて、3時間ほどOwl's Nestのコーディング。Snow LeopardのXcode 3.2は、32bitモードで動かしても、2バイト文字の入力にちょっとした不具合があるみたいで、やや微妙。思考が邪魔されるとまではいかないけれど、困った。

    Owl's Nestは2.0として土台から作り替えたのだけど、パフォーマンスがやけに上がったように思える。正確に計算したわけでもないので、体感の話。


    090910:0527

    自動的に3時に起床。あまりにも夜の真ん中で目を覚ますと、これからどこかへ守衛に行かなければいけないような錯覚に陥るけれど、実際に僕がやらなければいけないのは発表されたばかりのiPhone OS 3.1をダウンロードし、iTunes 9をダウンロードし、気持ちの悪い微笑みを浮かべる程度であろう。

    回線が込み合っていたせいか、両ソフトウェアのダウンロードに30分ほどかかった。アップグレードされたiTunesを利用して初めに行ったのは、Pat Methenyのインターネット・ラジオを聴く事だった。カーテンを開けば夜が明け始めている。


    090909:0629

    22時に眠って3時半に起床。

    昨日、食パンを買ってきてほしいという奥様からの依頼をすっかり忘れて帰宅したため、お皿に載せるものがない。4時に奥様を起こしたってまともに会話できるはずもないので、犬を起こして無理矢理お腹を撫でた。あまり喜んでいないように見えた。

    台所のお菓子の棚からビスケットを取り出して、家の周りを散歩。「あそうか、ローソンに行けばいいんだ」と気づいた時には僕は店の前に立っていて、ポケットの中には財布の代わりにビスケットがあった。古い詩にあるように、ポケットの中のビスケットは増やす事は容易でも為替的機能はない。


    090908:0643

    21時半に眠って3時に起床。昨日作り終えていたExcelの資料を確認してメール。1時間ほど考え事をした。

    午前6時前後に玄関を出て、家の近くのほんの20メートルくらいを歩いた。まだ地面が他人行儀で、少し肌寒い。どこかでシャッターを上げる音がしたけれど、誰にも、犬や猫にも会わなかった。そういえば、玄関の枯れたヒマワリはもう切ってしまったので、そこには朝顔しか咲いていない。

    コーヒーを用意して2階に上がり、ベランダからぼんやりと空中に引かれた電線を眺めた。川を挟んだ中学校の屋上から、カラスが飛び立つのが見えた。しばらくして、200メートルくらい離れた北の線路から、かすかに列車の音が聞こえた。まるで世界中の子供たちに気を使っているみたいだ。


    090906:2137

    LeopardでSpacesを見た時から、いつか実装しようと考えていたOwl's Nestの新機能、Rooms。その名の通り、これまで単一であった隠し部屋が大幅に拡張され、複数個の部屋を保持することができます。

    極限まで進化したCPUは、マルチコア、メニーコアへと向かいました。グローバリズムの限界を垣間みた世界は、一極化から多極化に向かいつつあると耳にします。花田美恵子さんとの不倫をスクープされたJACKJACKも、時を経て解散へと向かいました。

    そう、次期Owl's Nest 2.0が向かうべき方向が、いま僕にははっきりと見えているのです(注:解散ではない)。


    090906:0730

    4時過ぎに起床してOwl's Nestを完成。させたのだけど、アニメーションの修正と無意味な64bit化だけではあまりの変化のなさにつまらなくなったので、Snow Leopard専用に書き直す事にした。2時間ほど頭の中でスケッチを描き、既存の機能に欠けている箇所を洗い出した。大きく二カ所、がらりと変えてみよう。

    そもそもこのソフトウェアが生まれた理由は何であったか? それは、作者の暇つぶしである。僕はまだもう少し考える必要がある。真理も心理も心裏も、すべては暇つぶしの中にある。ずいぶん昔に斉藤和義が歌ったように。


    090905:1651

    朝から歯医者へ。前回の診察から二ヶ月経ったので、経過を診てもらうため。

    写真は結局、Picasaでまとめる事にした(fragmentsのリンク先が変わっています)。MobileMeに比べればページデザインが幾分質素だけれど、どのみち芸術性の高い写真が並ぶ訳でもないのだからこれでいいや、と思った。Google Mapと連携できるのも楽しい。

    昨日の夜から、買ったばかりの外付けハードディスクが壊れたみたいで、ディスクをマウントしている間、たびたびマウスカーソルが停止したり文字入力がキーの入力を取りこぼしたりしていた。悲しみのあまり魂までも取りこぼしそうになったのだけど、1日寝ている間に直っている。壊れているのに壊れていない。さよならだけどさよならじゃない。


    090904:2345

    アイスコーヒーを飲んだりホットコーヒーを飲んだりしながら、地球温暖化の到来と氷河期の再来に思いを馳せている。

    どうしても、記憶する際にしっくりと来ない、地に足の着かない単語というのが僕にはいくつかあって、最近では「queue」と「employee」あたりが該当する。なんだかいずれの単語も、自己の思い以上に余計なものを背負い込んでいるような気がするのだ。「そんなに気負わなくていいんだよ? 自分ひとりを責めなくていいんだよ?」と声をかけたくなる。

    ならない。嘘である。英単語のひとつやふたつにそこまで感情移入するような暇はない。僕にはまだまだやらなければならない事がqueueに溜まっているのだ。……はっ。


    090903:2340

    木曜日は政権の移行に伴う混乱を注視するため、緊急会合を開くとの声がかかったため、20時から村上君の家に遊びに行ってXbox 360で遊んだ。

    MobileMeからGoogleに乗り換えるテストは今日も継続中。ギャラリーは貼る蔵で代替できそう。なんて事のない写真ばかりだけど、いずれアドレスはこっちになると思います。


    090901:2253

    試してみない事には使い勝手はわからないなと思ったので、MobileMeで利用しているサービスを徐々にGoogleに置き換えていく実験をする事にした。徐々にといっても、今日一日でほぼ一通り作業を終えたんだけど。

    まずアドレス帳。これは簡単。アドレスブック.appからvCard形式で出力したものを、GoogleのContactsにアップロードして読み込ませる。最初、性/名が逆表記になって困ったけれど、なんかいろいろいじったら直った(←他の方のためのリファレンスを記述する気概ゼロ)。

    メールについては、bicoid.comドメイン宛以外のすべてのメールの転送先をMobileMeに転送していたので、これらをGmail宛に変更しただけ。受信済みメールについては、ドラッグ&ドロップでGmailのボックスに移動。もちろんそれなりの時間がかかる。2004年の僕と2009年の僕で微妙に文体が変遷している事に気づいて気持ち悪くなった。

    続いてはカレンダー。スケジュール管理については、言わずと知れた事だけれど、ハリウッドスターも真っ青な人気者の僕なので、元々ほとんど予定が空白だった。何度「次の月」ボタンを表示しても空白だらけなのだ。おそらく潜在的なバグだと思われる。

    さておき、MobileMeと同期している既存のスケジュールをすべてアーカイブしてから削除し、Googleカレンダーに一本化。iPhoneのSafari上では通知などの細かな設定ができなくて残念に思っていたところ、ちゃんとiCalと同期させる方法が紹介されていた。つまりSafari on iPhoneではなく、iCal on iPhoneを編集すれば自動的にWeb上のデータを編集できる。なんだこの利便性は。

    その他のMobileMeに依存した機能といえば、iDiskと写真ギャラリー、紛失iPhoneのGPSによる探索と、リモートワイプ。iDiskはDropBoxで、ギャラリーはPicasa Webアルバムで代替できそうな気がするけれど、どちらもまだ触った事がない。また、iPhoneを紛失した際にはショックで死亡する事が予想されるので、探索やリモートワイプはあまり意味がないような気がする。少なくともそう思い込もうとしている。


    090901:0859

    火曜日。健康診断のため、いつもより遅い出社。

    Owl's Nestは修正終了。今週末くらいにリリース予定。ほかにも手を入れたい箇所があるのだけど、7年後のメジャーバージョンアップで行うことにした。

    ここ二週間くらい、MobileMeのプッシュが極めて不誠実である。10月に更新時期が迫っているのだけど、更新するか否か考えてしまう。代替手段はやはりGmailになるのだけど、Snow LeopardではiCalがGoogleカレンダーをロードできるようになり、ますます気持ちが傾く。まだしばらくは考えよう。

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