080930:2146

帰宅のため電車に乗っていると、梅田から三駅ほど過ぎたあたりで、向かいの座席に座った若い女性が眠りはじめた。やがて、彼女の首が前方に向けて、すごい角度で折れ曲がった。240度とかそれくらい。折れ曲がったその辺りに、首の骨格の形が綺麗に並んでいるのを見ているうちに、ふとステゴサウルスを思い出した。

僕は思わず席を立って数歩近寄り、「ステゴサウルスの“ステゴ”は決して日本語の“捨て子”から来たものではなく、ラテン語で“屋根”を意味する“Stego”の事だから、あなたは気にする必要なんてないんです」と言いそうになったけれど、わりと疲れていたので黙っている事にした。


080930:0158

深夜の台所は水を打ったような寒さ(誤用)。歯磨きを終えて、コンピュータを閉じようと手をかけた時に、ふと思いついてもう一度キーボードに手を置いた。ずっと前にこちらで勉強させて頂いた、CoreTextを利用した縦書き表示のサンプル。

コンパイルして、動かして、まだまだ勉強しないといけない事が山のようにあるなぁと感じた次第。


080929:2017

本日発売のMac Fan誌のムックにおいて、Owl's NestLilypadSenebierを取り上げて頂きました。ありがとうございます。もはや感謝を通り越して、各ソフトウェアのアップデートをほったらかしですみません、という気持ちでいっぱいです。別問題だけど。


080928:2146

奥様が買い物に出ている間に食器を洗って、洗濯物を畳んだ。世間には洗濯物を畳むのを億劫がる人って多いけれど、僕は割と好きだ。ある種の成果の確認行程。食器を洗うのも洗濯物を畳むのも、それからアイロンをかけるのも、音楽を聞きながらできる作業であれば、消費する時間も気にならない。

休日に家や仕事場でプログラミングをする時は、ジャズをよく聞く。といっても、僕はジャズに詳しくない。詳しくないから聞くのだ。口ずさめるようなメロディだと、思考がそっちに引っ張られてしまうから。受験の頃、周囲には、FM放送を聞きながら勉強しているというクラスメイトが多かったけれど、僕の家はほとんど受信できなかったので逆に耳栓を買ってみたりもした。

貝殻を耳に当てると波の音が聞こえると聞いて、耳のあたりに貝殻の覆いを用意したメガネフレームのようなものを開発したら爆発的に売れるんじゃないかな、と子供の頃思ったけれど、壊滅的に売れないんじゃないかな、と今では思う。


080928:1309

2時に眠って10時に起きた。曇り空。

二週間ほど前から、娘が時々、「夜寝ている時に、もう一個のお父さんが帰ってくるの。帰ってきて小さくなってトコトコトコって歩くの」と口にする。怖いからやめて欲しい。


080927:2256

昼過ぎに、宝塚のもう一人のファンタジスタこと村上君からメール。内容を要約すると、「芝居を観に行かないか」「もう昨日観た」「では今晩イングス前にて待つ」といった感じ。これも縁かと僕は二日つづけての観劇。

この人たちのお芝居は、何度か繰り返し観てようやく頭の中に繋がる部分がある。ただ、そうした繋がりを追うことばかりに捕われていると、それはそれで、のびのびと楽しめないようにも思える。せっかく目の前で公演が行われるのなら、どちらかと言えば、生き生きとした役者さんたちの表情や、奏でられるメロディの運びや、床を打つ水の光景にこそ意識を向けるべきだ、と僕は思う。

いろいろと思うところはあるけれど、2時間ちょっとの間、僕はまぎれもなくニューデリーにいた。それだけで十分なのだ。そもそも感想を整理する必要なんてない。人は誰しも、目の前の女性を美乳か巨乳かに分類しようとするから、美乳でしかも巨乳があらわれた時に混乱してしまうのだ。喩えるならばそういう事。


080927:0813

四年くらい前、映像関連で何作品かお手伝いさせて頂いた事のある劇団の公演を、久々に観に行った。同スタッフの一人というか、裏ボスというか、ゴッドファーザー的な立場におられる(と僕は認識している)K崎嬢からお誘いのメールを頂いたため。
 もし入り口に知り合いのスタッフの方がおられたら、四年前の公演の未使用チケットを見せて「これ使えませんか」と詰め寄ろうと思っていたのだけど、遭遇しなかったので無駄な失笑を買うこともなく着席。

ニューデリーの恋人たち』と題された今回のそれは、見終わったあと変な気持ちになる作品だった。つまり、優れた作品という意味。僕は、改名前を含むこれまでの同劇団の公演の中では、『世界一団の博物館』という作品が個人的にとても好きなんだけど(でも人に勧める時には間違いなく別の作品を勧める)、あれにやや近いものを感じた。最初から最後まで、静かな細いものが、目に見えない深い部分を流れている。物語が終わったあとから、それを観た人々の中に物語が始まる。素敵な事だなと思う。


080927:0813

四年くらい前、映像関連で何作品かお手伝いさせて頂いた事のある劇団の公演を、久々に観に行った。同スタッフの一人というか、裏ボスというか、ゴッドファーザー的な立場におられる(と僕は認識している)K崎嬢からお誘いのメールを頂いたため。
 もし入り口に知り合いのスタッフの方がおられたら、四年前の公演の未使用チケットを見せて「これ使えませんか」と詰め寄ろうと思っていたのだけど、遭遇しなかったので無駄な失笑を買うこともなく着席。

ニューデリーの恋人たち』と題された今回のそれは、見終わったあと変な気持ちになる作品だった。つまり、優れた作品という意味。僕は、改名前を含むこれまでの同劇団の公演の中では、『世界一団の博物館』という作品が個人的にとても好きなんだけど(でも人に勧める時には間違いなく別の作品を勧める)、あれにやや近いものを感じた。最初から最後まで、静かな細いものが、目に見えない深い部分を流れている。物語が終わったあとから、それを観た人々の中に物語が始まる。素敵な事だなと思う。


080925:2348

中学/高校と受験勉強も放り出して朝から晩までサッカーに明け暮れ、ユニホームを着ている間は宝塚のファンタジスタと呼ばれたこの僕も、グラウンドを後にして10年あまりが過ぎたわけだけど、先日買った『リアルサッカー2009』は既にリーグモードで19試合を消化しています。左手の指がすげぇ痛い。

この指の痛さは、スーパーファミコンの名作サッカーゲーム『スーパーフォーメーションサッカー』の敗戦後とやや通じるものがある。あと、僕のファンタジスタ具合を疑われてもアレなので改めて述べておきますが、特に海外のフットボール事情に関して言えば、ハンサムな人(名前ど忘れ)とロナウジーニョ(いたずらっ子みたいな顔の人)とジダン(頭突きした人)しか選手知りません。あ、あとジーコも知っている。


080925:0007

やや遅い時刻に帰宅すると、中途半端な明かりの下、奥様がテレビを見ていた。

ぼんやりとした視線の先に、激しい動きでギターを奏でる福山雅治氏の姿。「なるほど、彼女はいま、非常にどうでも良い気分でいる」と察知した僕は、すかさず「ねぇ君。君は、笠井アナの血液型がRH-であることを知っているかい」と問うた。「あそう」という返事があった。僕もとなりに座って福山雅治氏の演奏を眺めることにした。


080923:2358

iPhone / iPod touch用ゲーム「リアルサッカー2009」に多くの好意的なレビューがついていたので、買ってみた。操作感はだいたい予想していた通りで、感触のない十字キー操作にやや難があるけれど(走り続けているつもりなのに、指が離れていつの間にか選手が止まっていたり)、多くの方が「思っていたより良い!」とレビューされている気持ちがよくわかった。つまり、大絶賛するわけではないんだけど、僕もまた「思っていたより良い!」と感じるのでした。

特に、巧いなあと唸ったのが、ドリブル時、画面に指で円を描く事によってマルセイユルーレットを披露したり、ちょうどボールを投げるようにiPhone / iPod touch本体を振る操作によってスローイン動作を行ったりする場面。遊び心がちゃんとゲーム性と結びついているから気持ち良い。


080923:2026

午前3時過ぎまで勉強し、目が覚めたのは午前10時。『大竹まことのただいま! PCランド』にゲスト出演する夢を見た。スタジオにはほとんど子供がおらず、「……結局、俺たちは皆、大人たちのツクリモノに踊らされているのか」みたいな皮肉を覚えたあたりで目覚めた。

昼からは家族で公園を訪れた。娘が滑り台の階段でおどけ、息子が砂場にトンネルを掘って遊んでいるのを目にしながら、それでもまだ僕は、大竹まことの事を考えていた。


080922:2135

一気に気温が下がったように感じられる月曜日。仕事から帰宅後、近くの店までを往復するときに半袖シャツで原付を運転していたら、とても寒かった。家に着いたらすぐにホットコーヒーを入れた。

季節の移り変わりがいつもこんな風に唐突だから、「これが今年最後のアイスコーヒーだな」と意識しながら飲む事がない。気がついた時にはホットコーヒーを飲んでいるから。けれど、もしあえて特定するならば、たぶん昨日飲んだのがそれに当たると思う。


080922:0053

ネットワーク経由で面白い事をするプログラムを思いついたので、関連するサンプルコードを4つほど眺めた。なにしろ僕は基礎的な知識が偏っているので、わかった部分もあるけどわからない部分もあった。そういえば、かれこれ数年間Mac用のプログラムを作ってきたけれど、NSFileHandleを触ったのはいったい何年ぶりだ、という印象。

定期券を買うためにうっかり使い慣れない口座のお金をおろしたら、携帯電話の料金が未払いになってしまった。「このまま放置すると22日以後使えなくなります」といった催促の案内が届いたので、「俺の携帯電話人生もこれまでか」と覚悟したところ、奥様が「早く払いに行って下さい。コンビニでも可」とおっしゃった。そうしたわけで、雨の中を散歩。


080920:0925

朝から奥様と娘が出かけて行ったので、一人でアイスコーヒーを用意。とっくにドアは閉まったけれど、息子は自分も連れて行ってもらえるものだと勘違いして、さっきから10分くらい靴下を履こうとして悪戦苦闘している。しばらく黙っていよう。

先日訪れた川西市立図書館で読んだ「アサヒカメラ」に、椎名誠さんと岩合光昭さんの対談があった。その中で椎名さんが語るイヌイットの話がおかしかった。イヌイットに言わせれば、「シロクマに出会ったら絶対に逃げるな」なのだそうだ。シロクマは人々が思っているよりもずっと走るのが早いから。で、死んだフリも通用しない。ではどうするかと言うと、答えは「絶対に逃げるな、殺せ」なのだ。

もう片方の岩合さんの話の中にも、写真についての興味深い考察があった。「ライオンがシマウマを追いかけているのを撮ろうとする時には、知らず知らずのうちに皆ライオンの気持ちになっている。そこであえてシマウマの気持ちになる事で、はじめてちゃんとした写真が写る」だとか。単純なようでいて深い。


080918:0034

生きて呼吸しているくらいでは汗を感じない季節に入ったので、数ヶ月ぶりに家で丁寧にホットコーヒーを入れた。美味。

iTunes 8に用意されたGeniusが、わりと面白い選曲をするのでこのところずっと使用している。現状ではゆるいシャッフル再生と大差ないように感じられる人も多いだろうけれど、Geniusという機能名称にある通り、まずはこの機能に人格を与えたのが巧いと思う。Mighty MouseとかAutomator、もっと言えばMac OS 9までのFinderに通じる感触。

たとえば現在のGeniusプレイリストを見てみると、George Harrison → Paul McCartney → The Beach Boys → Brian Wilson → The Doors → Billy Joel → Daryl Hall & John Oates → The Police → Sheryl Crow → Bob Dylan → Beck → Wilco と流れる。なんだかわからないけれど、そう並べられてみればその順番で聞いてみたくなるのだ。今はBrian WilsonのLove and Mercyが鳴っているところ。特に理由もなくモノクロの映像と曇り空の遠足を思い出した。


080917:2140

以前、尼崎市立中央図書館が、平日20時まで運営されている事を手放しで賞賛したのだけど、家からそう遠くない川西市立図書館も、19時までは開かれている模様。知らなかった。

何年かぶりに今日訪れてみたんだけど、空間にゆとりがあって棚と棚の間隔も広く、雑誌ごとに用意されたプラスチック製カバーは、宝塚市立図書館のそれに比べて幾分コストがかけられているように見えた。気に入ったのでもう少し頻繁に訪れてみよう。

その足で奥様の実家を訪れ、夕食をごちそうになって帰宅。二十年くらい前の話を教えて頂き、十年くらい先の話をした。


080917:1620

雑多な用事を片付けるために、残り二日の夏期休暇のうち、一日を繰り上げて当てる。行ったり帰ったり、原付を2時間くらい走らせた。

最近、この先の十年単位で物事を考えなければいけない場面が何度か訪れた。想像力が追いつかないのでなかなか困る。お風呂のお湯が沸くタイミングさえ未だに掴めないのに、十年も先の周囲の物事を思い描けるわけがない。ただ、なんとなく辿る事のできる輪郭や、弱々しい補助線のようなものは脳裏に浮かぶわけで、皆はきっとこうしたものを信用しながら、今の僕と似たような場面を解決していくのだと思う。僕の場合のそれは、幾分頼りない気はするけれど。


080917:0114

Windows XPを作った人は相当頭が良いと思うけど、Windows XPに「デスクトップ クリーンアップ ウィザード」を実装した人は相当頭が悪いと思う。知らない方のために一言で説明しておくと、デスクトップ クリーンアップ ウィザードとは、60日間おきにデスクトップに置いてある使用頻度の低いアイコンを自動的にチェックし、それらを「使用していないナントカ」というフォルダ(デスクトップに勝手に作成される)に自動的にまとめてくれる超絶AI機能である。素晴らしい。さらに素晴らしいのは、この超絶AI機能がデフォルトでONである事。ああ神様、なぜ僕は60日間おきに具体的な何かを叩き割りたい気持ちになるのですか。

この素晴らしさに心震えると、思わず僕の全技能を費やして同機能をMac OS Xに移植しようかとさえ考えてしまう。けれど、もし移植してしまうと、僕が周囲の人からたびたび受ける「なぜMacを使うんですか?」という質問に対する「デスクトップ クリーンアップ ウィザードがないから」という回答が使用できなくなってしまう。


080917:0001

連休の間、身体は動いていたけれど、頭ではほとんど何も考えなかった。月曜日に子供とお風呂に入った時、エーテルの話を少しした。エーテルというのは宇宙空間に住む黒い羊のことで、おなかが空くと、とてもくぐもった変な声で鳴く。そういう羊の話。エーテルは寂しがりやな性格なので、皆に否定されるとどこかへいなくなってしまう。

2002年の夏に、秋芳洞と鳥取砂丘を訪れた時の写真を見た。結婚前に奥様と旅行した時のものだけど、この旅行のことは(結婚前という事もあって)奥様の父母には未だに言っていない。彼女は当時高槻で暮らしていたから、特に両親に許しを得ずとも自由に外泊できたのだった。

ときどき、彼女の実家で皆でテレビを見ている時に、「あ、見てあれ、懐かしい」などと僕がブラウン管の向こうの秋芳洞を指差したりすると、奥様の父上と母上は、万里の長城のように雄大な表情を浮かべて、「ノブ君、疲れているんだね」と表情で示す。こうした時、奥様は「どうしたの? 何を言っているの?」という非常にナチュラルな微笑みを浮かべ、僕の軽卒な発言に精神的ケリを入れる。僕は慌てて「あ違う、岐阜の関ヶ原鍾乳洞かと思った」と、日帰りで訪れる事のできるマニアックな地名に切り替える事により、一命を取り留めるのだ。


080915:1115

実印登録を即日交付してもらうためには平日に動く必要があるので、今週のどこかで、残りの夏期休暇から1日を消費しなければならなくなった。早ければ週末にも実印を使用する可能性があるため。
 昔からいろいろな場面で耳にする事だけど、役所の業務が平日17時半までというのは、やはり現実的じゃないよなと思う。「ハンコを登録するために会社を休みます」って、冷静に考えるとものすごく滑稽だ。

曇り空の中、家族で実家を訪れて昼食。毎回、無線LANを使用するために一応AirMac Expressを持ってくるんだけど、鉄筋のせいか、無線LANが不安定なので、極力インターネットを利用しない作業に思考を集中させる事になる。


080914:1227

9時に起床。上の子供が、マリオカートの操作が驚くほど上達していて、画面から目を離さずに「ルイージどっか行っちゃったねぇ」などと呟く。さっき君が追い抜いたんだと思う。


080913:2219

どういった経緯でこの方の日記に辿り着いたのかよく覚えていないんだけども、『宇宙船サジタリウス』のオープニング&エンディングが紹介されていて、思わず見入ってしまった。懐かしいなぁ。ストーリーもキャラクタの名前も、まったく覚えてないなぁ。

奥様に「『宇宙船サジタリウス』、知ってる?』と質問してみたところ、数秒感、原始の宇宙を思わせる無の表情を浮かべたのち、「ムーミン」とお答えになられた。慧眼。


080913:1454

奥様が子供をつれて親戚のお見舞いに行くというので、僕は別行動する事にした。先週から考えている家の購入の事もあって、買うにせよ延期するにせよ、いずれにしてもそのうち実印が必要になるだろうから、まずハンコを買っておこうと思ったのだ。

駅前の印鑑屋さんに出向いて話を聞いた。材質にこだわりもなく、サイズは一般的なもので、と、勧められるままに頷いていたら、僕の財布の中の総額よりも2倍以上高価なものが指し示されていた。店員さんは親切に、水牛と黒水牛の違いを説明して下さるのだけど、もはや何を言われても頭に入らない。
 「あの……、黒水牛とかベヒーモスとか、そんなのどうでも良いんです。どうせメテオなんてリフレクですよね。え? メテオはリフレク駄目でしたっけ?」と、完全に混乱した様子を汗だらけの表情で示し、「カーバンクルに相談してきます」とだけ述べて店を後にした。


080913:0045

iPod touchのOSが2.1になって、日本語入力も様々な応答性も、非常に快適(というか、本来期待されていた状態)になった。この進化の妥当性と対応の早さは、Mac OS Xが10.0から10.1になった時に似ている。あの時もちょうど、Apple内部の人は「うむ、このままじゃやばいな。言われなくてもわかってます」と感じていたはずなのだ。

いま欲しいものを合計すると10万円弱になったので、これ以上は物欲を広げないように自分を制しながら、時間をかけてひとつひとつ消化していく予定。


080911:2224

5日間の連休を終えて出社すると、普段あまりプライベートな会話をしない年配のお客様が、僕の顔を見て笑い出した。「デトッターヤロ? デトッタン・アンターヤロ?」と、ギリシャの人名としか思えない台詞を並べられるので、「え? なんですか? アリストテレスの末裔?」と尋ねてみたところ、「ジブン、NHKのニュース出てたやん」と明確な日本語でのご回答。それを耳にした途端に、僕は般若の青年にも通じる真顔になりました。

地方のローカルニュースかと思えば、普通に関西のニュース番組だったそうです。あまりの恥ずかしさにそれ以上は聞かなかったのだけど、穴があったら入らせたい(地上にいる僕以外の全員を)気分になった。

今にして思うに、あの場合のコメントとしてベストだったのは、「なるほど、田んぼのアレは手裏剣の形をしているんですか……。いえ、実はさっき見た時にはどうせミステリィサークルか何かだと思って、あまり気に留めなかったんですよ」という「驚きの比重間違い」系。または、「へー、手裏剣ですか、ユニークですよね。いや、実はうちの子供は忍たま乱太郎が好きなんですよね」という「あからさまにNHKにコビを売る」系のいずれかであった。ううむ、残念である。


080910:0021

18時前に旅行から帰宅。半分以上奥様が運転していたので、ほとんど疲れていない。より正確に言うならば、鳥羽から桂川までずっと奥様が運転していて、僕はそれを応援する意味で、助手席において深い眠りについていたので、ぜんぜん疲れていない。寝て起きたら京都だったね。

9月7日のこと。行きの甲南パーキング・エリアで、子供にソフトクリームを買っていたら見知らぬ青年に声をかけられた。暑さに参りそうな汗だくの表情で、「ご家族でちょっとこちらへ来て、田んぼの中の手裏剣を見てくれませんか」と意味不明な事を言う。なるほどこういうのを電波系と言うのか。そう思い、どの角度から道を諭すべきかと思案しながら青年の後を追うと、青年の言葉通り、田んぼの中に手裏剣があった。小高い丘に立ち黙りこむ僕。聞けばNHKのロケで、一般の方の感想を求めてずっと待ち受けていたらしい。これは、まぎれもなく電波系である。

奥様と子供たちは、しっかり近くまでついてきたくせに完全に他人のフリをしてソフトクリームを舐め続けている。巨大なカメラとマイクを突きつけられる、極度にアドリブに弱い僕。「……あー、見えました。えーと、あの、ミステリィサークルっほいやつ……? 宇宙っぽい? アレですよね?」、と、静まり返った丘に僕のうわずった声が響いた。マイクを持つ青年は、例の船場吉兆の女影武者みたいな感じで「もっと他になにかありませんか」と小声で促す。うわ、厳しい。真顔じゃん。汗だくじゃん。
 「えー、あれですね、きっと町全体でですね、こういったこう、催しといいますか、町おこし的なアレをですね、なさっていて、ええあの、今日はこのまま伊勢の方まで抜けてしまうんですけれども、機会があればこう、改めて訪れてみたいなーなんて、あはは。宇宙的なあれをですね、もっと間近で見てみたいなーなんて。ねぇ? アカネももっと見たいよね? 見たくない? 今は興味ない? 無視だそうです。返事しないや。あはは。ソフトクリームに夢中みたいで。うん。いやでもほら、ホント、宇宙ですよねー。田んぼに手裏剣だもの」。

途中から、マイクの青年が「……やべぇ、こいつ電波系かも」という不安な表情に移ろいでいったのがやや気がかりですが、そうしたわけで僕の10年ぶりのテレビ出演の感想は、カメラのレンズが向こうを向いたらすぐに遺書を書こう、と決意させるに十分なものでした。あと、僕の使い道のないコメントにマイクを突きつけている間だけ般若のように鋭い視線を送っていた青年は、子供の手に握られていた少し溶けてしまったソフトクリームを見て、後から二つ、二百メートルくらい全力疾走して黙って買い直してくれました。感謝。


080907:0719

今日から旅行に出ます。昨日決めました。水曜日まで更新できないため寂しく思われるかもしれませんが、あなたがまぶたを閉じた時、いつもそこに僕はいます。見る者全てをやや苛立たせる感じの笑顔で、いつもまぶたの裏でニヤニヤしています。


080906:2213

二度目のオープンハウス見学。といっても、当初は家の中を見させてもらうつもりは全くなくて、「皆で近所の雰囲気を見てみたい」という気持ちで気安く車で出かけたら、たまたまオープンハウスで解放中だったという事。

最初に考えていた予算よりは500万円くらい高いけれど、静かで角地で二台駐車可能。まったくもって悪くない。見学中に「ここにしよう」と軽はずみな調子で言ってみたら、奥様からも強い否定の言葉は出ず。
 ひとつ思い出した。考えてみれば、僕は就職活動をまともにしていないのだ。一社目の結果が出る前に二社目での採用が決まったから。それと似た雰囲気を今日は感じた。


080906:0026

夏期休暇のうち三日間を来週の前半に割り当てる事が決まり、唐突に5連休。困ったのでとりあえずiPod touchで楽しめるTexas Hold'emを購入した。凝っていてなかなか楽しい。勝利のコツは、こちらも登場人物に負けないくらいの身振り手振りを実際に行い、ゲームに没入する事である。マイガッ。

この週末にも何件か家を見学する予定。


080905:0042

先日、後輩と一緒に電車で帰宅している時、『千と千尋の神隠し』のストーリーがまったく思い出せない、という話題になった。「カオナシがお金をうわーって出すんですよ」と後輩が言い、「受け取った? それ受け取って、千尋が金持ちになった?」と僕は返事をした。挙げ句、梅田に着く頃には、二人の頭の中には『千と千尋と節子の墓』といったよくわからない映画まで作り出されていた。

そんな事情もあり、僕がちゃんと見たと言える最後のジブリ作品は、『もののけ姫』である。別にジブリを避けているわけでもないので、いずれ更新される予定だポニョ。


080904:2215

『東亰異聞』を読んで『黒祠の島』を読んで、『深夜特急』を読んで『浄土』を読んで『孤独の発明』を読んだところで読書をストップ。ここから数日間は、プログラミングの事を考えながら電車内の時間を過ごしてみる。本を読むと決めた時期には、僕はだいたい鞄の中に2冊か3冊は文庫を入れておいて、好きなものを好きな順に読む。こうして複数の小説やエッセイを平行処理しようとすると、ストーリーも登場人物もわけがわからなくなるので、総じてゆっくり楽しむ事ができる。

思考回路がプログラミングに入り込んでいる時期は、文庫は一切持ち歩かなくなり、15インチのMacBook Proを往復電車の40分間のためだけに持ち歩く事も、まったく気にならない。キーボードを叩いている間にひらめく事も多々あるので、あえて座ることの出来る電車まで乗車を待つ事も、僕にとっては普通の選択になる。ひどい時にはMacBook Proと同時に、復習のために荻原本を鞄に詰める場合もあって、新鋭作家の脚本による『忍耐の車両』という名の実験的フランス映画に出演しているような気分になる。

何が言いたいかというと、そろそろそういう時期が来ましたよ、という予告。


080904:0153

19時過ぎに帰宅し、シャワーを浴びて食事を済ませ、20時くらいに布団に横になっていたらそのまま眠っていた。目が覚めたのは25時。家族全員眠っていて、耳を澄ませても無音。僕ひとりだけが閉園に気づかず回転木馬に乗り続けていたような気分。

たまには年内の予定など。9月前半に、Senebierのマイナーアップデート。細かなバグ修正と(リストを画面中央以外に表示した際の吹き出し位置など)、全体的な最適化など。じつはもう完成しています。そして、遅くとも10月中にはOwl's Nestをアップデート(したい)。10.4コンパチブルを目指しますが、優先度は中。

年内を目標に、これまでとは全く異なる分野のソフトウェアをリリース予定。こちらはずいぶん前にノートに書き留めてあったものを、ようやく設計し始めたところ。ここ数日間、こいつに関して考えている間、自分の集中力が研ぎすまされているのがわかって楽しい。


080903:0639

そういえば、『深夜特急』の5巻を読み直すまでに一年くらい間が空いていたので、次の6巻を既に購入済みであったか否か忘れてしまい、家の本棚を探したら、1〜6巻どころか、カバーのなくなった1巻しかなかった。家中で奇跡が起きている事を認めないわけにはいかない。しばらく神の存在を信じることにする。


080902:2131

今日は予定通り、会社を休んで私用の日。16時半くらいに外出先から帰宅し、食事までの間に近所を5km走って、いくつかメールを返信。

なぜかここ最近集中的に、僕が作った古いソフトウェアに意見を下さる方が多く、ありがたい。ソフトウェアを作っていて良かったと思えるのは、なにしろ僕にとってソフトウェア開発作業の全てが、100パーセント未来の自分のための行為だという事。
 こんな機能があれば良い、こんなゲームがあれば笑える、そうした場面を思い浮かべる際の評価基準は常に自分自身だ。そんな一直線な思考回路で生み出されたものが、たまたま誰かと共感できる位置に着地するのだとしたら、幸せな事だと思う。


080902:0053

月末のこと。8月のいつからか、6000通ほど溜まっていた迷惑メールを念のため確認しながら破棄していると、何通か、大切なメールが迷惑メールフォルダに放り込まれていた事に気づき、コンピュータの前で土下座しつつ英語で阿弥陀仏を唱えた。すみません。改めて返信させて頂きます。

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